このアリーナが他の都市型施設と一線を画す最大の理由は、建設プロセスそのものにある。東大阪市内に点在する数百社の中小金属加工メーカーや照明技術企業がコンソーシアムを形成し、内装材や特殊可動シートの部品供給を担っているのだ。
たとえば、可動式観覧席の無音スライド機構には、地元のベアリング技術が惜しみなく投入された。数千人の観客を乗せた客席がわずか数分でスムーズに収納され、広大なフラットフロアへと変貌を遂げる様は圧巻の一言に尽きる。大手ゼネコン主導の画一的なハコモノ建築ではなく、地域職人の技術と意地が細部にまで宿る「ハンドメイドの巨大アリーナ」と言えるだろう。