今期の大きな目玉の一つが、こうのとり(HTV)の後継機となる「HTV-X」1号機の打ち上げだ。単にISSへ食料や実験機器を運ぶだけではない。この機体は、月周回有人拠点「ゲートウェイ」への物資輸送や、軌道上での技術実証プラットフォームとしての役割まで見据えて設計されている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が米航空宇宙局(NASA)主導のアルテミス計画において不可欠なパートナーとされる理由は、まさにこの補給性能と高いドッキング精度にある。極限状態の宇宙空間でミリ単位の制御を可能にする日本の技術は、国際的な宇宙開発の現場で極めて高い評価を獲得している。補給機を運ぶ大型ロケットの定期運航が確立されてこそ、人類の「月面滞在」という壮大な目標が現実味を帯びてくる。