料理界においても、野性味溢れる肉料理の提供にとどまらない新たな波が押し寄せている。パリやリヨンのトップシェフたちは今秋、捕獲された個体の「骨から皮、内臓に至るまでの100%活用」を掲げる新メニューを相次いで発表した。従来は廃棄されることが多かった部材を最高級のコンソメや工藝皮革へと昇華させる試みだ。
この動きを後押しするのは、若年層の消費意欲の変化だ。工業生産された食肉の環境負荷に厳しい目を向けるZ世代やミレニアル世代にとって、適正に管理された野生肉は「最も透明性の高いタンパク質」として映る。高級レストランの予約リストには、食のルーツや環境への影響を意識する若い美食家たちの名が連なっている。