かつて液体燃料ミサイルが主流だった時代、発射の兆候は衛星画像などを通じて事前に察知することが比較的容易だった。燃料の注入作業には数時間から数日を要し、その間に日米の強固な監視網が動きを捉えられたからだ。
だが、現在の状況は一変している。固体燃料エンジンを搭載した新型ミサイルの配備が進んだことで、事前準備のプロセスは大幅に短縮された。移動式発射台(TEL)や潜水艦、さらには地下サイロから数分で即時発射される態勢が整いつつある。さらに、音速の5倍以上で変則的な軌道を描く極超音速滑空兵器(HGV)の実戦配備は、既存の弾道ミサイル防衛システム(BMD)による迎撃を著しく困難にしている。猶予時間は、もはや数分すら残されていない。