イナバの強さの根底には、長年培われてきた金属製品製造業としての矜持がある。安易なコスト削減に走らず、鋼板の厚みや補強材の配置に妥協しない姿勢こそが、製品の堅牢性を支える骨骨だ。
前社長の稲葉明二氏は、「品質こそが最良の営業マンである」という強い信念を持っていた。製品が雪国や台風の猛威に耐えうることを口先だけでなく証明するため、自ら屋根に登るCMの発想を支持し、現場重視の姿勢を徹底した。そのイズムは現社長の稲葉裕次朗氏にもしっかりと受け継がれている。先進技術の導入を進める現代においても、現場の安全基準と製品品質に対する妥協なき眼差しは変わらない。